生徒会のスガオ
「前の中学では、だいぶ暴れたようだな」

「……」


何も言えなかった。言葉を発することが出来なかった。そんな素振りを一切見せなかったし、私のことを知る人はここにはいない。
月居くんが私を知ってることには驚いたけれど……。


「口で負けさせるような人間なんだろ」

「……違う人では?」

「これでもか?」


ノートパソコンの画面をこちらに向けたが、その画面には先ほどの不良に怒鳴り付けたところが映っていた。


「わあ、ドッペルゲンガーかな。世界に三人はいるという私。こんな身近にいたとは」

「意地でも認めない気か。見りゃ分かるだろ、間違いなくおまえだ」

「……そんなこと私には関係ないわ」

「坂倉なんて名字も、そうそうないけどな」

「……それで?私たちを受け入れた理由はなに」

「俺は去るものは追わず来るものは拒まずだ」

「恋愛も?」

「そうだな。その通りだ」

「意外とストライクゾーンが広そうね」

「ああ、広いぜ」

「……で、なんでこんな話になったの」

「さあな」


わざとではないが会話が終わったため、ふと聞いてみたら特に関会長も答えることがなかったため会話が切り替わった。
私としては正直なところ、昔のことは思い出したくないし、優しい人になろうと必死だから。

たとえ、月居くんに言われたからって元の姿になりたいとも思わない……たぶん。
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