生徒会のスガオ
「だったら何だ」


マスクをしてると照れ性が嘘のように強気だ。まさかの言葉に私の方が照れてしまった。


「……ふうん。まあ、決めるのは坂倉ちゃんだけどな」

「……」

「サボらないからアドレス交換しような」


隣で舌打ちをする音が聞こえた。意外と性格が悪い一面が見えたりする。焦ってるようにも見えて、だけど私が嫌がるようなことはしなかった。
無理矢理にでも止めれば良いのに、それをしなかった。

結局、アドレスを交換したけど私、生徒会の誰一人と交換してなかった。異性の初がこの門番だなんて想像もしなかった。


「俺さ、暇だから頻繁に連絡しようぜ。休みにデートとかさ」

「それは却下します」

「早いな」

「私に休みはないので」


生徒会のことが忙しくなると休みなんてなくなるだろうな。貴重な休みならゆっくり休んだり、友達と遊びに行きたいし。


「じゃあ、これでサボりないですよ。不審者が入ったら、このアドレス、ネットの掲示板に載せますから」

「いや、マジで止めてそれ。きちんと仕事するから。オッサン頑張るから」


綾川さんは冷や汗を流しながら全力で止めた。掲示板だけじゃなく色んなところに貼り付けると言ったらもっと本気になっただろうか。
まあ、良い薬になったみたいだし、これでも良いかな。
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