生徒会のスガオ
昼休みになり旧校舎に向かうために中庭を通っていると、目の前を歩いている男子生徒。
「ねぇ、君も生徒会に立候補したの?」
駆け寄り声をかけると、その男子生徒はビクッと肩を揺らして振り返った。
「!?」
二頭身となり何だか怪しいような組織が被るようなマスクをしている。目には分厚いレンズのメガネをしているため顔が良く分からない。
「魔法使い!?」
「……ちがう」
低く通るような透き通った声で否定をした。目が合ってないように思ってしまう。
「……なに」
ハッとした瞬間、元の身長になっていて背が高い。私よりも高くて見上げるほどで、けど猫背のせいでもう少し高いのかもしれない。
「なんでマスクしてるの?」
「……理由を話す必要はない」
ぶっきらぼうに答える彼はマスクを外した。その中からやはり分厚いメガネのせいで分からない顔が出てきた。ボサボサの黒い髪に、綺麗な肌が見えていた。
下手したら女性よりも綺麗な肌かもしれない。
「でも……」
何だか気になってしまって、手を伸ばした。ドキドキと心臓の音が響く中、黒縁のメガネに触れる瞬間、ガサガサと草が音がしてビクッと肩を揺らして手を離した。
気になる素顔の部分は謎のままになってしまった。