それでも 求めてる
部活も終わり、帰る頃。
龍は用事があるとか言って先に帰った。
用事ってなんだろう、?
少し不思議に思いながら
帰りたくない…
なんて思いながらケータイを開くと
まだ19:23
あんな家、帰りたくない…
そう思って、家の近くの公園に行った。
まだ夏とはいえ、夜になると肌寒い。
ブランコに座って
ぼんやり考える。
それなりに幸せなはず…
くだらないことを、ずっと考えてたら
いつの間にか22時を過ぎてた
もうこんな時間!
そう思って家に帰ろうとしたら、
「あっ、」
『あれー?夢ちゃん、偶然だね?』
ニコニコ笑う神木先輩。
あたしも笑いながら
「偶然ですね?」
そしたら、神木先輩がクスっと笑い
乗ってきな?と車に促す。
「…ありがとうございます。」
そう言い、車に乗る。
『こんな時間まで大丈夫なの?』
「あ…あたしの、親そーゆーのあんまり気にしないんで」
『…ふーん。夢ちゃんって俺の事誘ってるの?』
「…え?」
なんでいきなりそーなるの!?
そう思いながら神木先輩を見つめる。
『だって、泣きそう顔で必死に笑おうとしちゃってさ?』
クスっとまた怪しく笑う神木先輩。
まるで
あたしの心の中わかってるみたい
そんなことを思ってしまった。