それでも 求めてる

そして神木先輩を見つめる。

そしたら神木先輩の顔が近づく。

キス――。

唇が触れてすぐ離れる。

そしたらまたすぐ触れる。

今度は深いキス。

口内に生暖かいものが入ってくる。

「…んっ」

龍ともしたことがないキスだった。

『あ、感じちゃった?』

唇が、離れると

あ、終わっちゃった

なんて最低なこと考えた

そんなあたしの事がわかったのか

また、深いキス――。

こんなことしてるのに、

冷静なあたし。

龍という彼氏がいるのに

あたしキスしちゃってる。

そして長いキスが終わり、

『帰ろっか』

「…はい」

また笑いながら答えるあたし。

まるで何もなかったかのように

『バイバイ、またね夢ちゃん』

クスっと笑う神木先輩に

「はい、ありがとうござました。」

と言って家に入る。
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