それでも 求めてる

分かってた。

結局あたしはひとり。


ひとりなの。

そんな時、いっつもタイミングがいいのか悪いのか

神木先輩からの電話――。


『夢ちゃーん!今何してんの?』

「…先輩。前にあたしに言いましたよね」

『んー?どした?』

「リストカットしたくなったら俺に言えって。…助けてくださいよ。あたしのこと。」

『どしたの?今どこ?』

「もうっ…わかんないっ…。結局ひとりぼっち…。先輩だってっ…」


『夢ちゃーん!やっぱりここだ』

「…え?なんでっ…」

『なんでって、夢ちゃん困ったらいつもここにいるでしょ?』

クスっと笑う先輩。


あぁ、好きです、先輩――。


「っ…先輩っ」

思わず抱きついてしまったあたし。

『夢ちゃん?大丈夫?』

よしよしと、あたしの頭を撫でる先輩。


優しいですね、先輩。

だからあたしはいつまでもあなたに

甘えてしまうの――。
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