それでも 求めてる
第11章 あなたの過去

『彼女だった。でも俺はだんだんそいつに愛想つかしてたんだ。それで、浮気もしたし、最低なこともしたよ…』

『そして、あいつはおかしくなって自殺したんだ。俺があいつを殺した――』


あぁ――。

あなたはそんな大きなものを抱えてたんだね。


だからあなたとあたしは

同じ目をしてるんだね。


『…まぁ、俺が言いたいのは、大事にした方がいいよ、龍のこと』


…ずるい。

あたしの心の中にいるのは

神木先輩。

あなたなんですよ――?

『そして、自分の事も――』

「…え?」


そう言うと、神木先輩は

『俺はね、ほっとけないんだ。夢ちゃんのこと。守りたい。でもね?それは俺の役目じゃない。龍の役目だろ?』

< 68 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop