にせパパ、はじめました。
「……あーうめぇ……!」


運がいいことに、ちょうどできたての唐揚げを買うことが出来た。


ゴマ団子も忘れずに。


「んー……今からどうすっか?暇だよな~」

「あ、わりぃ!俺これから毎日早く帰らなくちゃいけなくなってさ……」

もちろん理由は冬が居るからだ。

あんな小さい子をいくらなんでも十時間近く一人で放っておくのは気が引ける。


……すると翔は、驚愕な顔をして


「ま……まだ、怒ってるのか…………?」


心配そうに聞いてきた。

俺は違う、と言いそうになったが、やめた。


「……そーかもなっ!じゃ、また来週月曜日に~」

え、という表情の翔をおいていき、家の方面にダッシュ。

あ、お礼言い忘れた…………まぁ、またでいっか。

「な……なっちゃんーーっ!!?」


「わりぃなマジで!シーユー☆」



仮にもし翔に冬のことを話したら、それこそ面倒なことになってしまう。


お喋りな翔の事だ、すぐに周りに言いふらすのだろう。




……………秘密を作るのは、あまり喜ばしくないが


冬のことは、誰にも言いたくなかった。



















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