殺人鬼兄弟といじめられっ子が出会ってみた

〜1〜




2年に進級して一ヶ月がたつ…


私の通う学校はどこにでもある普通…
…まあ不良が多めだけど…ともかく普通の学校。
【天暦(てんれき)高等学校】

そして私のいるC組にはグループが決まっている。



「おはよー!ねぇ!昨日ミュージックテレビ見た!?」

「おはよ!見た見た!!大山嵐の革野庄太マジかっこよすぎ!!」

「えー!そこは大本和俊でしょ!!」

「あんたセンス悪っ!!ウケる〜!!」



朝からうるさくて化粧が濃いケバい女グループ…



「俺バイトしなきゃな〜マジ金ねぇ」

「マジで?今日の合コン大丈夫なん?」

「いや、今日は大丈夫。いざとなりゃあ女に払わせるし」

「お前サイテー!!」



やたらと金ないアピールかつ女関係を自慢する不良チャラ男グループ…



「今日の宿題やった?」

「やってない〜映させて〜」

「またぁ?しょうがないなぁ」

「ありがとう!なんか奢る!!」



ケバくもなく地味でもない普通でありつつ強者には逆らわないグループ…



「今日のジャンピン見た!?マジたぎった!!」

「ヤベェよな!!来週まで待てねぇ〜」

「だな!…あ!今日の帰りに新しくできたゲーセンよろうぜ!!」

「お!行こう行こう!!」



オタクとまではいかないが、普通にゲームとかで遊ぶグループ。


この四つのグループがある。



ちなみに私は…






「あー…てかさ、マジ教室の一角クサくね?」

「俺もそれ思った!窓際の後ろが陰気の匂いくせぇ〜」

「ブッ!!上手くねぇしそれ!!」

「換気しないと!こもってる!」

「“ぶちゃちゃん”クセぇよ〜!!」


ギャハハハハハ!!!!




私は拳を強く握り締める。


“ぶちゃちゃん”とは、彼らが作った私のあだ名。
ブサイクを可愛く言ってぶちゃちゃん。…だって…センス皆無過ぎ。



私の…正確には私1人のグループは
“暗く、普通までもいかない地味でブサイク”グループ



そりゃそうなるか。
睨んでるとしか思えない鋭い目に丸い鼻。ぽっちゃり顔&体型。
性格も歪んで捻くれていて、家族と信頼する人以外は冷たく当たってしまう。それが生意気だとあたってくる。



でも、こんな奴らのこと怖いとは思わない。



どうにかしたいけど、こいつ等は有名な不良集団に入っていて、数でも力でも叶わない…
普通グループは報復を怖がり、見て見ぬ振り。



悔しいけど、黙っているのが1番の対策になる。









そんな私ととある臨時教師が出会うのは残り数分。






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