遠距離恋愛
彼は、
空いている席に座り、
あたしも横に座った。
「 …。」
「 …。」
彼は本当に無口で、
あたしから喋らないと、
何も話そうとしない。
「 …えっと、なんか飲む? 」
彼の様子を伺うと、
短く、ううん。と
返ってきた。
あたしはどうしようか
迷ったけど、
結局、タピオカを
注文することにした。
ヒンヤリとしたタピオカが
喉を通り、
少し、気持ちを
落ち着かさせてくれる。
「 誕生日って、いつなん? 」
あたしは、
どうしようか考えた
挙句、
彼のプロフィールを
全然知らないことに
気づき、
少しでも距離を
縮められるようにと、
単純な質問を
投げかけた。
「 7月24日。」
「 え! 明後日!? 」
あたしは驚きのあまり、
大きな声を
あげてしまった。
店内に響いた
あたしの声は、
多くの人に
迷惑をかけたみたいで、
視線がすごく
集まった。
恥ずかしくて
下を向いていると、
彼はクスクスと
笑っている。
「 ちょ、なんで笑ってんのよ。」
「 だって、可笑しかったから。」
彼の笑い方は、
とても優しくて、
思わずあたしも
一緒になって
笑ってしまった。
あたしは、
ドンドン、ドンドン
彼に惹かれていった。
辺りはもう暗くなり、
彼に別れを告げ、
あたしは帰路につく。
あのあと、何かと
いろんな事を話して、
とても充実した時間だった。
彼の笑顔が見れて、
彼のプロフィールも知れて、
そして、
彼のメアドも、
教えてもらった。