遠距離恋愛
「 東くん。」
放課後。
先生に呼び出されてて
帰るのが遅くなり、
教室に戻ると
彼が、一人ぽつんと
座っていた。
彼は、
あたしの声に
反応して、
こっちに顔を向ける。
彼の丸い瞳が、
あたしの気持ちを
くみ取っていくようで、
あたしはついに、
決意した。
「 これから、スタバ行かない? 」
…心臓が、
トクトクと波打つ。
もしかして、
迷惑だったのかな?
変なヤツって、
思われたかな?
あたしの胸の中に、
いろんな想いが
あふれて。
たった一言なのに、
こんなに緊張するなんて、
あたしはそのとき
はじめて知った。
彼は、
綺麗な丸い瞳を
泳がせながら、
コクんと
黙って頷いた。