遠距離恋愛



「 東くん。」


放課後。

先生に呼び出されてて

帰るのが遅くなり、

教室に戻ると

彼が、一人ぽつんと

座っていた。




彼は、

あたしの声に

反応して、

こっちに顔を向ける。


彼の丸い瞳が、

あたしの気持ちを

くみ取っていくようで、

あたしはついに、

決意した。






「 これから、スタバ行かない? 」


…心臓が、

トクトクと波打つ。


もしかして、

迷惑だったのかな?

変なヤツって、

思われたかな?


あたしの胸の中に、

いろんな想いが

あふれて。


たった一言なのに、

こんなに緊張するなんて、

あたしはそのとき

はじめて知った。





彼は、

綺麗な丸い瞳を

泳がせながら、

コクんと

黙って頷いた。

< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop