それは、ナイショの恋*【短編集】
「良いの?後悔しないの?」



昼休み、親友の桃子が私の背中をそっと押してくれた。私は、コクンと頷いた。桃子がいてくれて、話しを聞いてくれるだけで、それだけで今は良いよ。


ありがとう。



「トーコ、私もっと前を向ける自分になるって決めた!」



「さすが、海!だから私、海のこと大好きだよ。でも、好きでいるのは私は、自由だと思う。いつか、思い出になるよ、きっと。」




トーコがニコって笑う。大人だよね、トーコは。


私も、その言葉を聞いてニコっと笑った。


トーコに笑える自分がいる。今はそれだけで、良いって思う。


今までの『恋』を大切に胸にしまって歩いて行く。



そんな私も、良いって思える私がいるから。




恐れないで歩いて行きたいってトーコのおかげで気づいたカモ。


ありがとう、トーコ。




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