それは、ナイショの恋*【短編集】
「ねぇー!聞いてよ、香鈴っ!!」
「ん〜?どうしたの、苺ちゃん?」
私が急いで教室に行くと、お昼のお弁当を先に食べていた香鈴が私のほうを向きながら、おにぎりを頬張った。
「あのね、あのね!…………ってか苺ちゃんってのやめてくれない?私には、奈緒ってゆうカワユイお名前があるのよぉ〜!!」
私の家は、早く言えばダンゴ屋さんだ。みたらし団子に、ゴマ団子、三色団子。その中でも、昔から陰ながら売れている商品があって、それが世にゆう『苺大福』なのだ。
私も、お団子は大好きだし、毎日3食団子でも良いってほど、お団子は大好き。
もちろん、苺大福も・・・・くやしいけど好きだ。
でも、『苺ちゃん』と呼ばれるのは気が向かない・・・・
小さいころから、家族が呼んでるから、クラスにまで浸透してしまうから、頭を傷める。
奈緒ってゆう名前があるのに!!
「苺ちゃん、可愛いじゃん!・・・・で、何て言おうとしたの?」
「あ、そうだった!」
私は、さっき屋上で見かけた光景を思い出す。
「あのね、屋上で女の子二人だけで「大好きでしたー!」って大声で言ってたの!!イヤ〜!ドラマみたいだよね!!」