春夏秋冬キミがいた
海斗の質問に、楓くんは俯いて黙る。
海斗は突然、楓くんの胸ぐらを掴んだ。
そして、声を荒らげて言った。

「…こいつ、風邪引いてんのに、雨ん中ずっと、来るはずのないお前のこと待ってたんだぞ?!」

「ちょ、海斗やめなよ!」

私はベッドから降りて、楓くんの胸ぐらを掴んでいる海斗の手を離そうと、海斗の手首を掴む。
それでも海斗は手を離さない。
こんなに怒ってる海斗、初めて見る。
私は、そっと海斗の手首から掴んでいる手を離す。
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