7時45分発、県庁行き

01







玄関を出て息を吐くと、真っ白な息が出る。


気温は新聞の天気予報によれば5度で、この辺りは雪国の為、今日もちらちら雪が降っている。


数センチほど積もった雪。


まだ誰も踏んでない雪に足跡をつくりながら私は歩く。


絶対に7時45分発に乗れるように、私は冬でも40分にはバス停にいられるように行動し、バス停につくとまずミラーで確認を怠らない。


洗面所でさんざんチェックしたけれど、分からないから。


どこか変な所があるかもしれないし。


大丈夫かな…?


髪も乱れてないし、リップも。


これでバスに乗れる!と心を弾ませ、バスを待つ。


針が動く毎に、私の胸はドクンドクンと大きくなっていく。


もうすぐで会える。


私の鼓動を速くさせるあの人に会える。



< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop