7時45分発、県庁行き
こうして同じバスに乗り、あなたを見る事しか出来ない。
それでも満足。
それ以上あなたを知りたいと思うのは駄目な気がして。
バスは進む。
進めば必然的に到着地点に近付いている事。
‘8分’
それは私がバスに乗り、一日の中で、あなたの顔を見られる時間の事。
ああ、どうしてあなたも私ももっと先の高校に通っていないのか。
もっと同じバスに居たいよ。
黒髪から覗くその瞳も、私より20センチ近く高い背も、つり革を握る手も、その大きな足も。
大好きなあなた全て目に焼き付ける。
今日辛い事があるかもしれない。
今日悲しい事があるかもしれない。
そんな時に今焼き付けるあなたを浮かび元気になれるように。
私は目に焼き付ける。