ねぇ






―――彼と過ごすはずだった2度目の夏。


体の不調を感じた蒼は、病院へ行った。


すると、脳に腫瘍ができていることがわかった。



そして、その数週間後に手術を受けた。

手術は成功し、じきに目を覚ますはずだった。




でも蒼は、5ヶ月間眠り続けている。




どんなに名前を呼んでも、涙を流しても


彼がその綺麗な瞳を見せてくれることはなくて


心が乾いていくのを感じていた。





それでも待つと決めた。


もう私には彼以外に愛せる人など

愛してくれる人などいない。


いたとしても、私は蒼じゃなきゃ嫌だから。






一人で見るクリスマスツリーは、味気が無くて切ない。







< 11 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop