ねぇ
―――彼と過ごすはずだった2度目の夏。
体の不調を感じた蒼は、病院へ行った。
すると、脳に腫瘍ができていることがわかった。
そして、その数週間後に手術を受けた。
手術は成功し、じきに目を覚ますはずだった。
でも蒼は、5ヶ月間眠り続けている。
どんなに名前を呼んでも、涙を流しても
彼がその綺麗な瞳を見せてくれることはなくて
心が乾いていくのを感じていた。
それでも待つと決めた。
もう私には彼以外に愛せる人など
愛してくれる人などいない。
いたとしても、私は蒼じゃなきゃ嫌だから。
一人で見るクリスマスツリーは、味気が無くて切ない。