ねぇ
『どうしたんですか?』
『・・・・・・・』
見ず知らずのあなたがいきなり声をかけてきたことにも驚いたけど、
反射的に見上げた顔は、その優しい声からイメージした容姿とぴったりで
しかも、想像以上にきれいな顔だったから
私は思わず、泣き顔のまま見とれてしまった。
『え、っと・・・』
ハッと我に帰ると、彼は困り顔で私を見下ろしていて、
『あっ、ごめんなさい・・・・・!』
慌てて目を逸らした。
『いえ、いきなり声をかけてしまった俺も悪いですから』