ねぇ
『…嘘だ』
彼の綺麗な手が、伸びてきて、私の頬に触れた。
『っ!?』
わけが分からなくて、目を見開き固まるしかない。
『…さっき俺、クリスマスデートみたい…って言いましたよね……意識してたのは、俺だけ、なのかな…?』
――――ずるい。
その言い方は、ずるいよ…。
私を見つめる彼に息が止まりそうになる。
貴方の手、目線、言葉を意識して、身じろぐ事も出来ない。
与えられる全てが甘く感じられて、どうしようもなく、ときめいてしまう。
――心臓が悲鳴をあげている。
きっと私は、真っ赤だ。