雲の隙間の青空





「ふぇぇぇん」





男の子は涙いっぱいの顔で私に抱きついてきた。





私は男の子の頭をなで、光御(こうおん)を唱える。





「彼の御霊、もとあるべき場所へ…」





男の子は光に包まれた。





「…おねえちゃん……」





「ん?」





か細い声で男の子はつぶやく。





「見つけてくれてありがと…」





そのつぶやきとともに男の子は消えた。




そして、教室は何もなかったかのようにシンと静まりかえる。





「……」





終わると毎回言葉にできないような気持ちになる。





< 14 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop