雲の隙間の青空
「ふぇぇぇん」
男の子は涙いっぱいの顔で私に抱きついてきた。
私は男の子の頭をなで、光御(こうおん)を唱える。
「彼の御霊、もとあるべき場所へ…」
男の子は光に包まれた。
「…おねえちゃん……」
「ん?」
か細い声で男の子はつぶやく。
「見つけてくれてありがと…」
そのつぶやきとともに男の子は消えた。
そして、教室は何もなかったかのようにシンと静まりかえる。
「……」
終わると毎回言葉にできないような気持ちになる。