雲の隙間の青空
「視えるよ」
「そうかいそうかい」
おばあさんはうれしそうに微笑み、また前を向いた。
「……この駅でね、約束したんだよ。」
おばあさんは懐かしむような目をしていった。
「わたしの主人がね、死んだら一緒にあの世へ行こうって言ってね…。この駅で待ち合わせしようって…。」
「…おじいさんを待ってるんだ」
「そうなのよ…。主人のほうが先に死んだのに。あの人は何をしているんだか…」
困ったようにおばあさんは笑った。