雲の隙間の青空
「花さん…河瀬花さんのことをお聞きしたいんです。」
ガッシャンッ!!
ガラスの割れる音。
とびちるコーヒー。
隼人のお母さんは持っていたカップを床へ落とした。
「……花ちゃん?」
その目は私をとらえた。
氷のように冷たく、その目からは怒りさえも感じる。
「あの子なら引っ越したわよ」
隼人のお母さんは近くにあったタオルでコーヒーをふいた。
「あ、私も手伝いま…」
「あの子はね、私から隼人を奪ったのよ。あんな子さえいなければ…」
カチャカチャとガラスが触れる音がする。