雲の隙間の青空
「あたりまえじゃない!」
「隼人だよ。人探しを手伝ってるの」
「ふ~ん、そう。いいけどわかってるわよね?」
「え?」
お母さんは真剣な表情で言った。
「人を探していようがあの子も霊なの。だから、あの世へ送らないとだめなのよ?」
隼人は霊。
あたしとは違う。
わかってるはずなのに。
その言葉が私の胸に突き刺さる。
「それに音もなったんでしょう?」
「…」
「音が鳴った霊はすぐに送らないといけないの。わかってるでしょう?」
屋上で確かになった、音。
「でも…」
「今はまだ目をつむっててあげるわ。でも、いいわね?」
「…」
お母さんはそう言い、部屋から出て行った。