【完結】遺族の強い希望により
春、亮と玲奈は県外の大学に揃って合格し、地元を出て行った。
みのりの進学先は実家から通える県内だった。

遠距離になることで、もしかしたら駄目になるかもしれないと覚悟はしていた。
亮と同じ大学に玲奈がいることも、みのりの気がかりではあった。


だがさすがに予想もしていなかった。
亮を見送りに行ったその日、駅のホームで。
遠距離の難しさを経験するまでもなく、あっけなく終わりを告げられようとは。


『今日でもう終わりにしよう。みのりはみのりで、大学生活楽しめよ』


玲奈の存在が脳裏をちらつきさえしなければ、何故と問えたかもしれない。
責めることも縋ることも出来ないまま、新幹線のドアは無情に2人を遮断した。
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