【完結】遺族の強い希望により
玲奈も亮も、その言葉を聞いて黙り込んだ。

例えば妊娠したことは告げたとして、将来を約束し、大人になるのを待つことは出来なかったのか。
そう、しばらくの間、ジェシカが選べた他の可能性について考えを巡らせている様子だった。


「価値観の差を痛感したって、言ってたよね……ジェシカは当然考えたと思うよ、学生の身で彼女を妊娠させた隆司がいくら結婚を望んだところで、周りがどう言うか」

「まあ当然……風当たりは強いよな」

「そうね……当時は今よりも体裁を気にする風潮が強かっただろうし……」


2人とも、みのりの言うことに傾きはじめていた。
ジェシカが取ったのは、彼女のし得る最良の行動だったのかもしれないと。
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