【完結】遺族の強い希望により
――なんだ、これは。


『隠ぺいか』

確かにそれは、みのり自身も思った。
だがそれだけだ。

所詮赤の他人のことに、そこまでムキになる必要もない。
元より興味もない。


人が死んでいるのだ。
名も知らぬ死者を、こんな風に冒涜できるものだろうか。
否、名も知らぬ相手だからか。


故人とは全くの無関係ではなかった。
直接の関わりはないに違いないが、それでも庇いだてする気が起こったのは、少なからず知っている人間の親だからだろうか。
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