【完結】遺族の強い希望により
亮が言わんとしたことを、玲奈も汲み取ったようだ。
これ以上ジェシカの日記を覗くのは玲奈1人で良い。

この後どういう過程を経て今に辿り着いたのかを知るための近道は、ジェシカの日記ではなく恐らく、次に控えている手紙たちだ。


隆司は日記に書いた通り、高校時代いわゆる文通をしていた頃の手紙は処分したのだろう。
並んでいる手紙は隆司のノートほど古びて色褪せてはいない。
もっと後になってからやり取りしたもののようだった。


ジェシカはその頃の手紙を取っておいているような気がした。
完全に2人が終わったと思い込んでいた隆司とは違い、彼女には手紙を破棄する理由がない。
古い日記もこうして残っているのだから、手紙も恐らくはそうだろうとみのりは予想した。

だがその手紙は、ここにはない。
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