【完結】遺族の強い希望により
『遺族も同罪』

喪主は玲奈の母親だろうし、死因を公表しないよう希望したのもそうなのだろうが――遺族というひとくくりの言葉のもと、批難されているのは玲奈でもある。


可哀想、と擁護する者もいた。
不確かな情報を流さないよう苦言を呈する者も。

だがネットの匿名性に乗じて悪意を撒き散らす者たちは、それらの言葉により一層ヒートアップしていくようだった。

冷静な者は途中で姿を消し、残った者たちがひたすらに延々と死者を貶めている。


増え続ける書き込みの中に、玲奈の父親を庇う言葉はひとつもなかった。
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