【完結】遺族の強い希望により
そもそも旧友の父親が死んだことを、わざわざ当時の仲間たちに拡散する必要があったのか、という微かな疑問は解消された。

亮が玲奈に肩入れしすぎ――連絡を受けた時には僅かに、だが確かに湧いた、そんな嫉妬じみた感情は霧散していく。


この批判のせいだ。
亮が本当に知らせたかったのは、父を亡くした上にその死に方を批判されている玲奈の現状に違いないと、少なくとも1年彼の隣で過ごしたみのりには理解できた。


死んだことを、死に様を、その裏にまつわる全てを暴かれなければならない人がいる。
一方では――。


命の重さ。
尊厳。

治まっていた震えが、再びみのりを襲ってくる。
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