【完結】遺族の強い希望により
「凄いね……玲奈のお母さん」

「なんていうか、強い人だな」


――強さか……慈愛か。ううん、両方か。


手紙は頻繁にやり取りしたわけではないのかそれともここにないだけなのか、その後の経緯の詳細は追えなかった。

ただその再会から1年経たぬ内に、ジェシカの方から娘が結婚後すぐに長女に恵まれたことの報告があり、隆司からはそれについての祝いと、こちらも念願叶って妻が身ごもったという報告が返されている。


玲奈の父親が海岸から搬送された時一緒にいたという、ひとつ年下の少女の正体がその子なのだろう。

玲奈は初め『妹なのでは』と予想していたが、それとは少々――かなり違う。
隆司にとっては孫になるその子が、玲奈からしたら何にあたるのかはよく分からなかった。
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