【完結】遺族の強い希望により
表書きはない。
投函されたのではなく、直接手渡されたものらしい。
「玲奈……開ける?」
「はは……どうしよっか」
初めて彼女が見せた躊躇いに、みのりは胸が痛くなった。
「ねえ、明日また来ようか? 今日はもうほら、そろそろ夕飯の時間だし。ちょっとゆっくり休んで……お母さんとも、少し話したら?」
みのりの提案に、玲奈は迷いを見せた。
既に心も脳も疲れ切っているのだろうが、後回しにすることも躊躇われるのだろう。
表書きのない最後の封筒へ、何度か手を伸ばしかけては引っ込めている。
投函されたのではなく、直接手渡されたものらしい。
「玲奈……開ける?」
「はは……どうしよっか」
初めて彼女が見せた躊躇いに、みのりは胸が痛くなった。
「ねえ、明日また来ようか? 今日はもうほら、そろそろ夕飯の時間だし。ちょっとゆっくり休んで……お母さんとも、少し話したら?」
みのりの提案に、玲奈は迷いを見せた。
既に心も脳も疲れ切っているのだろうが、後回しにすることも躊躇われるのだろう。
表書きのない最後の封筒へ、何度か手を伸ばしかけては引っ込めている。