【完結】遺族の強い希望により
「そっか。その方がゆっくり話せるかと思ったんだけど、飯は無理なら仕方ないな」

亮はそう言って、自分の中で行先を決定したようだ。
温かい飲み物でも飲みながら座って話せる、どこかカフェにでも向かうつもりだろう。


「待って」

と、みのりはさっきから自分の手を引っ張っている亮の手を、反対に引き返した。

「家に聞いてみるから……ちょっと、待って」

「ほんとに!?」

まだ、食事に行けると答えたわけではない。
それなのに亮があまりにも嬉しそうで、みのりは逆に怖くなった。


――今さらだよ。なんでそんな風に、誘ってきたりするの?
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