【完結】遺族の強い希望により
全部知りたい、知らなければならないだろうと思っている。
だが同時に怖くもあった。
遺影と真っ直ぐに向き合えるようになっている今のままではいけないのだろうか。


父は家族を裏切ってなどいなかった。

知らない内に海外にもうひとつの家族が出来てしまっていたのは仕方のないことだ。
20年も隠しておかれた後で、責任を問われる筋合いもない。

それなのに父は、向こうの家族まで大切にしていたようだ。
それは責められるようなことではなく、むしろ称えられるべきことのようにも思えた。


それでいいではないか。
周りがなんと言おうとも、自分たち家族は父に非が無いことを知っている。
胸を張っていればいいのだ。
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