【完結】遺族の強い希望により
亮はみのりが大学を辞めたことを既に知っていた。
敢えて今何をしているのかを聞いてこないのは、ずっと引きこもっていることも知っているからかもしれない。
みのりがそうなった本当の原因を知っているのは母親だけのはずだった。
もしかしたら母が父に相談していれば、両親ということになるかもしれない。
だが家族以外の誰にも、秘密はばれていないはずである。
にも拘らず亮が何かを知っているのだとしたら、彼はあれを見たのだ。
或いはあれを見た他の誰かから、その内容を聞いたのだ。
ただでさえ失意の底にいたみのりに、追い打ちをかけるように振りかざされた悪意の数々を。
――『ヤリマン』
浮かんだそのひとつの単語を皮切りに、フラッシュバックが始まった。
敢えて今何をしているのかを聞いてこないのは、ずっと引きこもっていることも知っているからかもしれない。
みのりがそうなった本当の原因を知っているのは母親だけのはずだった。
もしかしたら母が父に相談していれば、両親ということになるかもしれない。
だが家族以外の誰にも、秘密はばれていないはずである。
にも拘らず亮が何かを知っているのだとしたら、彼はあれを見たのだ。
或いはあれを見た他の誰かから、その内容を聞いたのだ。
ただでさえ失意の底にいたみのりに、追い打ちをかけるように振りかざされた悪意の数々を。
――『ヤリマン』
浮かんだそのひとつの単語を皮切りに、フラッシュバックが始まった。