【完結】遺族の強い希望により
◇
12月24日を一緒に過ごしたい、だから帰国は遅らせられないか。
その懇願にも似た訴えははじめ軽くいなされて却下された。
「リュウ、馬鹿ね。クリスマスはファミリーで過ごすものでしょ?」
少女、と呼ぶには彼女はあまりにも大人びていた。
肩にかかる金に輝く髪を軽く払い、憂いた表情で悲しげに微笑む。
「ニホンジンはギリニンジョウって聞いてたのに、ファミリーよりも大事なものがあるなんて意外と薄情なのね」
その懇願にも似た訴えははじめ軽くいなされて却下された。
「リュウ、馬鹿ね。クリスマスはファミリーで過ごすものでしょ?」
少女、と呼ぶには彼女はあまりにも大人びていた。
肩にかかる金に輝く髪を軽く払い、憂いた表情で悲しげに微笑む。
「ニホンジンはギリニンジョウって聞いてたのに、ファミリーよりも大事なものがあるなんて意外と薄情なのね」