【完結】遺族の強い希望により
だが娘となるとどうだろう。
玲奈の名前を出して並べて欲しくはなかった。
夫に自分の遺伝子を分けた子として一番に愛していてもらいたいのは当然玲奈だ。
否、玲奈以外にいて欲しくない、というのが美和子の本音だった。
それでもずっと耐えてきたのは、夫も知らぬ内に生まれてしまっていた彼の子の存在を責めることが出来なかったからに過ぎない。
20年以上もその子の存在を隠しておきながら後になってのこのこと出てきたジェシカのことを恨まなかったわけではない。
産む時に言わなかったのなら、彼女は隠し通すべきだった。
そうして欲しかった。
だがそれも、夫の血を引く子どもがこれから築く家族のためと思ったからこそ許してきたのだ。
それが今になって、隆司の子ではなかったとは一体どういうことだ。
玲奈の名前を出して並べて欲しくはなかった。
夫に自分の遺伝子を分けた子として一番に愛していてもらいたいのは当然玲奈だ。
否、玲奈以外にいて欲しくない、というのが美和子の本音だった。
それでもずっと耐えてきたのは、夫も知らぬ内に生まれてしまっていた彼の子の存在を責めることが出来なかったからに過ぎない。
20年以上もその子の存在を隠しておきながら後になってのこのこと出てきたジェシカのことを恨まなかったわけではない。
産む時に言わなかったのなら、彼女は隠し通すべきだった。
そうして欲しかった。
だがそれも、夫の血を引く子どもがこれから築く家族のためと思ったからこそ許してきたのだ。
それが今になって、隆司の子ではなかったとは一体どういうことだ。