【完結】遺族の強い希望により
出血についても、今時点では原因の特定が出来ない。
妊娠初期の不正出血は珍しい事ではないから、大袈裟に心配はしない方が良いと医者は言った。
母が言ったのと同じようなことだった。
母体の精神状態が胎児に与える影響を、諭す様な落ち着いた口調で説明された。
出血量が多いし傷みも酷いようだから、流産の可能性はなきにしもあらずだ、とは、みのりが大分落ち着きを取り戻してから告げられた。
だがみのりはこう思った。
――お医者さんもこんなに冷静なんだから、赤ちゃんはきっと大丈夫なんだ。
「我慢できますか? 鎮痛剤は必要ですか?」
医者の問いかけに、みのりは笑って答えた。
「薬ですか? お腹に赤ちゃんがいるのに?」
妊娠初期の不正出血は珍しい事ではないから、大袈裟に心配はしない方が良いと医者は言った。
母が言ったのと同じようなことだった。
母体の精神状態が胎児に与える影響を、諭す様な落ち着いた口調で説明された。
出血量が多いし傷みも酷いようだから、流産の可能性はなきにしもあらずだ、とは、みのりが大分落ち着きを取り戻してから告げられた。
だがみのりはこう思った。
――お医者さんもこんなに冷静なんだから、赤ちゃんはきっと大丈夫なんだ。
「我慢できますか? 鎮痛剤は必要ですか?」
医者の問いかけに、みのりは笑って答えた。
「薬ですか? お腹に赤ちゃんがいるのに?」