【完結】遺族の強い希望により
顔色と隅だけの問題ではなく、彼女は随分と痩せてしまっていた。
さらさらだったはずの髪にはブラシも通していないのか、ごわごわと絡まり、毛先もパサついている。
きめ細かく艶やかだった肌は白く乾燥し、薄っすらと皺が刻まれている。
据わった目には光がなかった。
隣で同じく言葉を失っている亮の様子が物語っていた。
玲奈のこの変化は、みのりが知らない高校卒業からの9ヶ月間に少しずつ進行したものではなく、父を喪ってからのほんの数日で起こったことなのだ。
ゾクリとした。
この家を取り囲む淀んだ空気の発信源は、間違いなく彼女である。
さらさらだったはずの髪にはブラシも通していないのか、ごわごわと絡まり、毛先もパサついている。
きめ細かく艶やかだった肌は白く乾燥し、薄っすらと皺が刻まれている。
据わった目には光がなかった。
隣で同じく言葉を失っている亮の様子が物語っていた。
玲奈のこの変化は、みのりが知らない高校卒業からの9ヶ月間に少しずつ進行したものではなく、父を喪ってからのほんの数日で起こったことなのだ。
ゾクリとした。
この家を取り囲む淀んだ空気の発信源は、間違いなく彼女である。