【完結】遺族の強い希望により
「大丈夫、またすぐ会えるから」
中々立ち上がろうとしないのをどう思ったのか、亮はそう言ってみのりの手を引っ張った。
半ば無理やりに立たされても、根が生えたように足が動かない。
止まったままのみのりの手を、亮はそれ以上強引には引かなかった。
「大丈夫だよ、みのり。必ず、ちゃんとするから」
頬に触れ、少し身を屈めて覗きこむようにして、彼は先ほどと似たようなことを繰り返した。
二度宣言された『ちゃんとする』の意味を、みのりは良く分かっていなかった。
けれど大好きな亮の口から紡がれる『大丈夫』の言葉は、彼女の心を落ち着かせた。
「不安があるなら、ちゃんと言って?」
と、亮は辛そうに眉を下げる。
それを見て、みのりはぎゅっと目を瞑り、ふるりと首を横に振った。
「大丈夫」
「……みのり、またそうやって無理して――」
「ううん」
にこりと、微笑んでみせる。
大丈夫、と、心の中でその言葉を繰り返しながら。
「亮が大丈夫って言ってくれたから――、大丈夫」
中々立ち上がろうとしないのをどう思ったのか、亮はそう言ってみのりの手を引っ張った。
半ば無理やりに立たされても、根が生えたように足が動かない。
止まったままのみのりの手を、亮はそれ以上強引には引かなかった。
「大丈夫だよ、みのり。必ず、ちゃんとするから」
頬に触れ、少し身を屈めて覗きこむようにして、彼は先ほどと似たようなことを繰り返した。
二度宣言された『ちゃんとする』の意味を、みのりは良く分かっていなかった。
けれど大好きな亮の口から紡がれる『大丈夫』の言葉は、彼女の心を落ち着かせた。
「不安があるなら、ちゃんと言って?」
と、亮は辛そうに眉を下げる。
それを見て、みのりはぎゅっと目を瞑り、ふるりと首を横に振った。
「大丈夫」
「……みのり、またそうやって無理して――」
「ううん」
にこりと、微笑んでみせる。
大丈夫、と、心の中でその言葉を繰り返しながら。
「亮が大丈夫って言ってくれたから――、大丈夫」