【完結】遺族の強い希望により
「でも……じゃあ、あの報道は何だったのかな。遺族の強い希望によりって」
父の最期を隠したのは、母の意向だと決めつけていた。
『遺族』と言われ、自分ではあり得ないのだから後は母親しかいないと。
或いは父方の祖父母という可能性も無きにしもだが、母の話を聞いた限りでは、玲奈よりも前に彼らと連絡を取り合った様子もない。
母は困ったように「うーん」と首を傾げる。
正確なところは彼女にも分かっていないようだった。
「学校と連絡を取ったのはジェシカの話を聞く前だから、曖昧な誤魔化し方をしたのよね。でも多分その時、お話ししたくないっていう気持ちは出てしまっていたと思う」
「だからって、勝手すぎない?」
玲奈はこの点についてはかなり憤慨していた。
父の訃報に余計な文言がついて報道されたばかりに、酷く傷口を抉られることになったのだ。
生の声を直接聞かされる羽目にもなったのだから、尚更だ。
だが意外なことに、母はそれを致し方なしと思っているようだった。
父の最期を隠したのは、母の意向だと決めつけていた。
『遺族』と言われ、自分ではあり得ないのだから後は母親しかいないと。
或いは父方の祖父母という可能性も無きにしもだが、母の話を聞いた限りでは、玲奈よりも前に彼らと連絡を取り合った様子もない。
母は困ったように「うーん」と首を傾げる。
正確なところは彼女にも分かっていないようだった。
「学校と連絡を取ったのはジェシカの話を聞く前だから、曖昧な誤魔化し方をしたのよね。でも多分その時、お話ししたくないっていう気持ちは出てしまっていたと思う」
「だからって、勝手すぎない?」
玲奈はこの点についてはかなり憤慨していた。
父の訃報に余計な文言がついて報道されたばかりに、酷く傷口を抉られることになったのだ。
生の声を直接聞かされる羽目にもなったのだから、尚更だ。
だが意外なことに、母はそれを致し方なしと思っているようだった。