【完結】遺族の強い希望により
「いらっしゃいみのりちゃん、亮く――……あら」
玲奈の母がリビングから顔を出して迎える。
途中で言葉が途切れて、母娘の似たような反応を予想しただけで既にみのりは吹き出しそうだった。
「それどうしたの? 随分賑やかな顔ね」
みのりは咄嗟に顔を伏せ口を押さえて堪えたが、どうやら肩が震えるのは止められなかったようで、気付いた亮に背中を叩かれた。
「これから玲奈に話すんで……俺らが帰った後にでも聞いてください」
気まずそうにそう濁した亮に、玲奈の母は「あらあら」と目を細める。
「楽しみだわ」
にこりと笑う彼女に、亮は引きつった作り笑いを返した。
「じゃ、お茶が入ったら2階へ持っていくわね」
「あ、これっ!」
ふわりとスカートの裾を翻して奥へ下がろうとした玲奈の母親を、みのりが慌てて呼び止めた。
「ええと、つまらないものですが。おじさん甘いものは好きじゃなかったと聞いたので、今日は甘くないものを」
玲奈の母がリビングから顔を出して迎える。
途中で言葉が途切れて、母娘の似たような反応を予想しただけで既にみのりは吹き出しそうだった。
「それどうしたの? 随分賑やかな顔ね」
みのりは咄嗟に顔を伏せ口を押さえて堪えたが、どうやら肩が震えるのは止められなかったようで、気付いた亮に背中を叩かれた。
「これから玲奈に話すんで……俺らが帰った後にでも聞いてください」
気まずそうにそう濁した亮に、玲奈の母は「あらあら」と目を細める。
「楽しみだわ」
にこりと笑う彼女に、亮は引きつった作り笑いを返した。
「じゃ、お茶が入ったら2階へ持っていくわね」
「あ、これっ!」
ふわりとスカートの裾を翻して奥へ下がろうとした玲奈の母親を、みのりが慌てて呼び止めた。
「ええと、つまらないものですが。おじさん甘いものは好きじゃなかったと聞いたので、今日は甘くないものを」