【完結】遺族の強い希望により
◆
「ちょっと……突っ込みどころが満載なんだけど」
驚きすぎて口を挟む隙もなかったわ、と、玲奈は表情を無くしたまま俯いた。
当然だろう。
2人が春に別れたということは亮の口から聞き、すぐにみのりにも連絡を取って確認していたが、その後妊娠が発覚したことも流産したことも、みのりが大学を辞めてずっと家に引きこもっていたことすら玲奈は知らなかった。
互いに起こったことを報告しあうために今日は集まっていた。
玲奈の家族の話を聞き終えて一息ついた後に、今はみのりたちに起こった一部始終を話し聞かせている最中だ。
「なんで相談してこないのよ、馬鹿」
わざと拗ねたような顔をして言う玲奈が、そのことで傷付いているのが分かって悲しかった。
誰かに相談することで重荷を背負わせたくなかった、ただそれだけだ。
けれど隠すことが必ずしも相手を思いやることとイコールではないのだと、今なら分かる。
驚きすぎて口を挟む隙もなかったわ、と、玲奈は表情を無くしたまま俯いた。
当然だろう。
2人が春に別れたということは亮の口から聞き、すぐにみのりにも連絡を取って確認していたが、その後妊娠が発覚したことも流産したことも、みのりが大学を辞めてずっと家に引きこもっていたことすら玲奈は知らなかった。
互いに起こったことを報告しあうために今日は集まっていた。
玲奈の家族の話を聞き終えて一息ついた後に、今はみのりたちに起こった一部始終を話し聞かせている最中だ。
「なんで相談してこないのよ、馬鹿」
わざと拗ねたような顔をして言う玲奈が、そのことで傷付いているのが分かって悲しかった。
誰かに相談することで重荷を背負わせたくなかった、ただそれだけだ。
けれど隠すことが必ずしも相手を思いやることとイコールではないのだと、今なら分かる。