【完結】遺族の強い希望により
「確かにそのまま追い返されたんだけどさ……」
あの時の絶望が忘れられないのだろう、亮は話しながら、あまり浮いた顔はしない。
「それはさ、お父さんが最後にくれたチャンスだったんだよね」
と、みのりが後を引き継いだ。
玲奈に説明しながら、そんな父の態度を「分かりづらくてごめんね?」と亮を気遣う。
あの後同じような言葉を何度も聞かされていた亮は、言葉もなく苦笑いするだけだ。
「チャンス?」と玲奈は怪訝な顔をして先を促した。
『もう帰りなさい、亮くん』
みのりの母の静かな言葉はずしりと重く、堪えた。
ふらふらと立ち上がり、一礼して辞そうとした亮を、だが彼女は玄関まで見送ってこう言った。
『ちゃんと筋を通して、改めて出直してきなさい。――と、みのりの父が言ってます』
あの時の絶望が忘れられないのだろう、亮は話しながら、あまり浮いた顔はしない。
「それはさ、お父さんが最後にくれたチャンスだったんだよね」
と、みのりが後を引き継いだ。
玲奈に説明しながら、そんな父の態度を「分かりづらくてごめんね?」と亮を気遣う。
あの後同じような言葉を何度も聞かされていた亮は、言葉もなく苦笑いするだけだ。
「チャンス?」と玲奈は怪訝な顔をして先を促した。
『もう帰りなさい、亮くん』
みのりの母の静かな言葉はずしりと重く、堪えた。
ふらふらと立ち上がり、一礼して辞そうとした亮を、だが彼女は玄関まで見送ってこう言った。
『ちゃんと筋を通して、改めて出直してきなさい。――と、みのりの父が言ってます』