【完結】遺族の強い希望により
「亮のお父様から連絡が来て、一度私とも会って話がしたいって。それで次の日に亮の実家に行ったの。ご両親、私に土下座して、その時に出来たのがこのこぶ」

みのりが指差したところに玲奈がそっと触れる。
その歪な形と大きさに驚いた玲奈と、触られて傷みが走ったらしい亮の悲鳴が重なった。


みのりは目の前で亮が彼の父親に殴られるのを見ていた。
否、彼の父親は、半分はみのりにそれを見せるために呼び出したのだ。
その時は呻き声ひとつもあげなかった亮が、今はちょっと触られたくらいで悲鳴を上げるのが可笑しかった。


「それから私の気持ちを聞かれて、これからも亮と付き合っていきたいって答えた」

玲奈は目を丸くした。

「親の前でノロケたのね! すごい」

「やめてよ、今考えるとほんと恥ずかしいんだから。でも分かってもらいたくて必死だったから、凄いアピールした気がする」

「なんて言ったの!?」

「忘れた」

照れて視線を逸らし誤魔化すみのりを、隣で亮がくつくつと笑っていた。
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