【完結】遺族の強い希望により
そこまでを、亮はみのりの両親に対して喋った。
言葉は途切れ、もう一度今度はしっかりと、亮とみのりの視線が絡み合った。


「必ず幸せにするから――。みのり、結婚したい」


呆然とそれを聞いていた両親が止める間もなく、みのりは座布団を蹴飛ばして亮の元へ駆け寄った。

だが亮は、感情的にその場で抱きしめたりはしなかった。
未だ反応を示さないみのりの両親を真剣な眼差しでじっと見つめている。

我に返ったみのりも、その隣で一緒に畳に手をついた。


「お願いします。お嬢さんを、僕にください」

「お父さん、お母さん、お願いです。私この人が好きです。一緒になりたいの」


みのりの両親は放心したようにそれを見つめていた。

「佐伯さん、どうか――、この通りです」

見守っていた廣岡家の両親が、後押しするように頭を下げた。
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