【完結】遺族の強い希望により
title:【訃報】
from:廣岡亮


みのりを動揺させたのは、件名よりも差出人の方だった。


廣岡亮は高校3年の時のクラスメイトである。

1年前は当然のように毎日顔を合わせていた。
教室でだけでなく。


最後のやり取りを思い出すと、半分死んだようだった彼女の心が久しぶりに動いた。
軋んだ。

まさか再び亮から、連絡が来ることがあろうとは思ってもいなかった。

二度と関わることもなく、その内にやがて、2人の人生が交わったほんの短い時などなかったことになるのだとそう思っていた。
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