【完結】遺族の強い希望により
「父が死んだ時、本当に一緒にいたの」

「それ、は……」


短く綴られた主語のない言葉から、容易に【誰が】そこにいたのかが窺えた。
瞬時に甦る、ネット上に渦巻いていた書き込みの数々。


『搬送されたの1人じゃなかったらしいですよ』

『女だ女確定』

『一緒に搬送されたのは高校生くらいの女の子』

『高校教師がJKに……』

『確かです。目撃した本人から聞きました』


――でも、まさか。


ふるり、とひとつ頭を振って、みのりは込み上げてきた何かを抑え込んだ。

確かに一緒にいたのかもしれない、高校生くらいの女の子とやらが。
しかしそれが、ネットに書かれたような相手だったとは到底思えない。
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