【完結】遺族の強い希望により
様子が、明らかにこれまでと変わった。

つい今の今までは、どんなに取り乱しても2人に対して事態を説明するために喋っていたはずなのに、今玲奈にはみのりと亮のことが見えていないようだ。

代わりにここにはいないはずの誰かへ向けるように、何もない空間へと視線を――言葉を向けている。


みのりと亮は互いに顔を見合わせた。
普通じゃない。
そう思っているのが自分だけではないと確認し合うと、2人は同時に玲奈を呼び戻しにかかった。


「玲奈、どうした!?」

「玲奈! 落ち着いて」
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