【完結】遺族の強い希望により
学生の交換留学と語学講師の短期交換による異文化交流、外国語教育水準の引き上げ。
それを目的とし、積極的に提携先を探しに乗り出したのは他でもない玲奈の父だった。


英語圏の国は他にもいくらでもあるのに、初めからオーストラリアに拘っていたこと。
精力的に動き出したのが丁度玲奈が産まれた頃だったこと。
現地滞在中、父は宿泊施設ではなく、毎回同じ家庭で世話になっているらしいこと。
彼が、名目上はその家庭のことをホストファミリーと呼んでいたこと。


並べられていく玲奈が知り得た情報に、2人は不安を募らせた。

「何が言いたいんだ、玲奈」

「悪いように考えないで……」

不必要に悪い方へ向かった解釈で、断片的な事実が繋ぎ合わされているような気がする。
< 74 / 450 >

この作品をシェア

pagetop