【完結】遺族の強い希望により
◇
最後のホームルームが終わった。
だが無論、生徒たちがすぐに解散するわけではない。
別れを惜しんで取り囲んでくる友人たちへ、少女は困ったような笑いを浮かべた。
「ごめん、飛行機の時間が……」
数ヶ月分の着替えやら学校教材やら、かさ張る荷物は全てまとめ、昨日の内に既に送ってあった。
ほとんど身ひとつと言って良い状態で終業式を終え、彼女はこのまま直接空港へ向かう予定でいる。
「急がないと」
「送っていくよ」
男が割って入って声をかけると、居合わせた友人たちは皆、気を遣ってその場で2人を解放した。
彼らが恋人同士であったことは、教室では周知の事実である。
「みんな、元気で……必ずまた会いましょう」
だが無論、生徒たちがすぐに解散するわけではない。
別れを惜しんで取り囲んでくる友人たちへ、少女は困ったような笑いを浮かべた。
「ごめん、飛行機の時間が……」
数ヶ月分の着替えやら学校教材やら、かさ張る荷物は全てまとめ、昨日の内に既に送ってあった。
ほとんど身ひとつと言って良い状態で終業式を終え、彼女はこのまま直接空港へ向かう予定でいる。
「急がないと」
「送っていくよ」
男が割って入って声をかけると、居合わせた友人たちは皆、気を遣ってその場で2人を解放した。
彼らが恋人同士であったことは、教室では周知の事実である。
「みんな、元気で……必ずまた会いましょう」